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抽象表現主義

  • 執筆者の写真: TENTEKO
    TENTEKO
  • 2018年8月3日
  • 読了時間: 3分


アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。

1940年代から、アメリカではヨーロッパからの移住者の影響もあり、抽象表現主義が起こります。前回勉強した、アンフォルメルに呼応するように起こりました。抽象表現主義というのは、1919年に初めてカンディンスキーの作品で使用された語で、’46年に批評家のロバート・コーツによって再採用され命名されました。アクション・ペインティングとも総称されます。 この運動は、1951年にMoMAで開かれた「アメリカの抽象絵画・彫刻」展によって広められることとなりました。

以下の特徴があります。 ●描くアクションの過程とその瞬間を、絵具の物質的な痕跡のうちに再現 ●アニメーション的なイメージ ●手の動きを制御し、したたりやにじみの偶然の効果を利用

この運動は、ある固定的なイメージを目的とする従来の表現を突き崩しました。ルネサンス以来の遠近法の限界を超えようとする20世紀前半の流れを継承しており、シュルレアリスムの有機的で無意識的な形態を踏まえ、画面の中心を定めないような抽象的な画面を創り出しました。

また、アクション・ペインティングに加え、色面的な表現を試みた作家たちがいます。カラー=フィールド・ペインティングと呼ばれます。彼らの作品は、変化しない単色または少数色の色彩による大画面の広がりの中に、静寂感や精神性を暗示しています。



*以下の影響を受ける。 ●ダダイズム ●シュールレアリズム ●ルネサンス以来の遠近法を超えようとする流れ ●アンフォルメル

*作品 ●[婚約Ⅱ]/ゴーキー ●[第1番A]/ポロック ●[オレンジと黒の壁]/クライン ●[女Ⅰ]/クーニング

●[白い冬]/トビー ●[スペイン共和国への哀歌(エレジー)]/マザウェル ●[赤紫色の上の暗黄褐色、その上の黒色]/ロスコ

〈アーティスト/人物〉 ●ロバート・コーツ:批評家。「抽象表現主義」を再採用し命名。 ●ハロルド・ローゼンバーグ:批評家。「アクション・ペインティング」を命名。 ●アーシル・ゴーキー:カンディンスキー、ミロ、アンドレ・マッソン、ピカソ、パウロ・ウッチェルロの影響を受ける。 ●ハンス・ホフマン:キュビスム、オートマティスムの影響を受ける。 ●ジャクソン・ポロック:1946年ごろからアクション・ペインティングが始まる。マッソンのオートマティスム、インディアンの砂絵から影響を受ける。 ●ウィレム・デ・クーニング ●フランツ・クライン:モダニズムの先駆者と言われる。中国水墨画、禅宗の研究をする。 ●マーク・トビー

◎カラー=フィールド ●ロバート・マザウェル:美術批評や哲学を学ぶ。 ●クリスフォード・スティル ●マーク・ロスコ:演劇を学ぶ。



 
 
 

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