ドイツ表現主義 #3: ブリュッケ
- TENTEKO
- 2018年7月29日
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アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。
もともと、ドイツには表現主義的傾向がありました。
ドイツ・ルネサンス絵画にまで遡るといいます。
最初の活動は
ケーテ・コルヴッツ、パウラ・モーダーゾーン=ベッカー、エミール・ノルデです。
新しい表現主義的活動は、ドレスデンという町で生まれます。今でもドレスデンは芸術の街です。芸術大学は評判がいいです。
1905年にブリュッケという若手芸術家集団が活動を起こしました。1902年にドレスデン工科大学の建築家の学生たちが集まり結成に至りました。「古い芸術家ら革新的な芸術へ渡る」という意味があります。キルヒナー以外はみな独学でした。
彼らは自然な態度からくる表現の自発性を重視しました。
自然な態度とは、
グロテスクになることも恐れない根源的な自然さのことです。
1906年のブリュッケ綱領でも
古い力に反抗し、技術と生命の自由を創りだすこと、直接的で偽らずに自分を創造的に表現すること
を訴えています。
絵画では、
●力強いタッチ・筆さばき
●大きな色面や平面的な装飾性
●内的な感情を表現する純粋色
●色彩の強烈対比
が特徴として表れています。
ただ、ブリュッケのメンバーの作品は手法にこだわらず、さまざまな手法が試されています。
1912年にはぺヒシュタインが除名され、1913年には解散に至りました。
しかし1930年代の全体主義が、表現主義を頽廃芸術とし、キルヒナーの作品数百点がナチスに没収されました。キルヒナーは翌年1938年、自ら命を絶ちました。
〈アーティスト・メモ〉
◎最初の表現主義的活動
●ケーテ・コルヴィッツ:内発的な表現主義。
●パウラ・モーダーゾーン=ベッカー:セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ナビ派、林忠正コレクション(日本美術)から影響を受ける。
●エミール・ノルデ:ゴッホ、ゴーギャン、ムンク、アンソール、フォーヴィズム、プリミティヴ芸術から影響を受ける。後年、ナチスに頽廃芸術家として活動を禁じられる。
◎ブリュッケメンバー
●エルンスト・ルードヴィッヒ・キルヒナー
●フリッツ・ブライル
●カール・シュミット=ロットルフ:ブリュッケの名づけ親とされている。
●エーリッヒ・ヘッケル
●マックス・ぺヒシュタイン
●オットー・ミュラー
〈以下の影響を受ける〉 ●フランスのフォーヴィズム:ブリュッケは、1907年ヴァン・ドンゲンを通じて知る。 ●ゴッホ ●ノルデ:ブリュッケに影響を与える。
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