アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。
第一次世界大戦前には、2つの芸術運動がありました。
キュビスムと未来派です。
キュビスムより少し遅れて起こった運動が、未来派です。
未来派は、1909年詩人フィリッポ・トマゾ・マリネッティによる「未来派宣言」が発端となっています。未来派は、宣言によって自分たちの意図を表明しそれを根拠に突進するものでした。芸術に必要なのは勇気、大胆、反乱とし、何よりも新しい美は速度の美としています。自動車を「サモトラケのニケよりも美しい」としています。
また、自動車のほかに、以下を称えています。
●汽船、機関車、飛行機
●労働と工場と大衆の近代的エネルギー
●あらゆる戦い、軍国・愛国主義、アナーキストの破壊的行動
●男性主義:未来派は、女性賛美主義を軽蔑しています。
●ロマンティシズム
1910年には
「未来派画家宣言」「未来派絵画技術宣言」を発表します。
未来派絵画技術宣言は、運動するものを、空間を通過する物体の増殖・変形・連続と、その環境の相互浸透としてとらえるというものです。分解写真の要領を技法として提案するものでした。未来派の作品の題名には「+」が入っていることがあります。これは未来派特有の、同時性の表し方です。
*作品
●[決起する都市]/ボッチョーニ
●[弾力性]/ボッチョーニ
●[街灯]/バッラ
●[バルコニーを走る少女]/バッラ
●[虹色の浸透]/バッラ
●[自動車のダイナミズム]/ルッソロ
●[家々+光+空]/ルッソロ
〈アーティスト〉 ●ウンベルト・ボッチョーニ ●ジャコモ・バッラ ●ルイジ・ルッソロ ●カルロ・カッラ ●ジーノ・セヴェリーニ