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キュビスム #3: オルフィスム

  • 執筆者の写真: TENTEKO
    TENTEKO
  • 2018年8月1日
  • 読了時間: 3分


アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。




第一次世界大戦前には、2つの芸術運動がありました。


キュビスムと未来派です。


キュビスムは、ルネサンス以降のリアリズムを批判し、現実の対象や空間に対する視覚と認識の仕方を問い直そうとしました。 未来派は、近代社会の変化と機械産業の活性化、特に自動車や飛行機の速度が時間と空間を縮小していくダイナミズムに注目しました。

どちらも現実の分析=総合という方法によって新しい創造の可能性を探りました。


今回は、キュビスムについて勉強します。 キュビスムの考え方は、現実を複数視点から眺め、同時的に合成した図像として構成しようとするものです。

ピカソとブラックの創始したキュビスムは大きく3つの時代に分けることができました。 ●セザンヌ的キュビスム ●分析的キュビスム ●総合的キュビスム


そして、彼らの後継者がピュトー・グループを結成し、キュビスムを展開しました。また、もう一つの新たなキュビスムの展開として、オルフィスムという傾向がありました。1911年末からです。




ということで、今日はオルフィスムについて勉強します。 オルフィスムとは、透明な色彩と抽象的形体のみで純粋絵画をめざす傾向のことです。1913年の詩人アポリネールの著書『キュビスムの画家たち』に出てくる「オルフェウス的キュビスム」から由来していて、目に見える描写によらず純粋に美的感覚に訴えるように構成する芸術です。また、アラールの時評にも出ています。

オルフェウスはギリシャ神話で竪琴の名手で、発案者とされるロベール・ドローネーの純粋な色彩的感動を音楽的感動にたとえた名称です。

ドローネーの作品は、ダイナミックな分析的キュビスム、色彩のスペクトル分析と同時対比、抽象画へと移行していきます。対象の構成はなくなり、フランスの最初の抽象画となりました。 ドローネーの色彩表現は、ドイツ画家のクレー、マルク、マッケに影響を与えています。



*作品 ●[赤いエッフェル塔]/ドローネー ●[窓]シリーズ/ドローネー ●[円形のフォルム・太陽,月]/ドローネー ●[垂直線の言語のための習作]/クプカ ●[エドタオニスル,聖職者]/ピカビア ●[泉での踊り]/デュシャン

〈アーティスト〉 ●ロベール・ドローネー ●フェルナン・レジェ ●フランシス・ピカビア ●マルセル・デュシャン ●フランティシェク・クプカ



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