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キュビスム #4: ピュリスム



アートタイムです。 『20世紀の美術』(美術出版社)を主に参考にしながら、近代以降の各ジャンルごとにまとめるページです。 各アーティストについては、ARTISTのカテゴリでまとめていきます。新たに知ったことがあればどんどん追記していきます。




第一次世界大戦前には、2つの芸術運動がありました。


キュビスムと未来派です。


キュビスムは、ルネサンス以降のリアリズムを批判し、現実の対象や空間に対する視覚と認識の仕方を問い直そうとしました。 未来派は、近代社会の変化と機械産業の活性化、特に自動車や飛行機の速度が時間と空間を縮小していくダイナミズムに注目しました。


どちらも現実の分析=総合という方法によって新しい創造の可能性を探りました。

キュビスムの考え方は、現実を複数視点から眺め、同時的に合成した図像として構成しようとするものです。

キュビスムは、ピカソとブラックがつくってきたのち、ピュトー・グループ、オルフィスムとその考え方が受け継がれてきましたが、もうひとつ、キュビスムを正当に引き継ごうとした運動が起こります。



それが、ピュリスムです。

1918年のことなので、第一次世界大戦後です。これまでに見てきたキュビスムの流れから少し時間が経過します。アメデ・オザンファンとシャルル=エドゥアール・ジャンヌレが著書『キュビスム以後』で宣言したことによ始まります。ジャンヌレは、のちにル・コルビジェとして有名になります。

ピュリスムは、気ままな自由や空想を禁じ、何よりも冷静に秩序・明晰・純粋を探求する芸術です。理性が作品を支配することを訴え、垂直線と水平線構造による建築的な単純さ、純粋な機械性と類型性を求めていました。正確なデッサンと構図、即興性を排除した綿密な描写えおめざしていましたが、個性を抑制しすぎて、絵画としては革新的なものには至りませんでした。



*作品 ●[積み重ねた皿のある静物]/ジャンヌレ

〈アーティスト〉 ●アメデ・オザンファン ●シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ

〈キーワード〉 ●『キュビスム以後』:オザンファンとジャンヌレの著書。 ●『エスプリ・ヌーヴォー』:雑誌。



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