クーンズを取り巻くコレクターたち
- TENTEKO
- 2018年8月22日
- 読了時間: 3分
ここでは、紀伊国屋書店『巨大化する現代アートビジネス』(ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール著)を参考にしながら、アート界の仕組みや覚えておくべき重要な人物を勉強していくページです。
今回は、業界を牛耳る重鎮たちと、彼らが注目するジェフ・クーンズについてまとめました。もっと詳しく知りたい方は、上記の本を買ってくださいね!
アート界の先端はとても狭い世界で、一部の人々が市場の動向を握っています。アート界を動かす彼らは、最初の方で書いたとおり、様々な職業の人がいますが、みんな知り合い。金・影響力が半端ない人たち。アートフェアなんかで良く顔を合わせるなど、定期的な交流を行なっています。
英米では、アート雑誌でそれぞれアート界の重鎮ランキングを毎年発表しています。
イギリスでは『アート・レビュー』誌で、「パワー100」で力のある100人を、アメリカでは『アート・ニューズ』誌で、トップコレクター200人を発表しています。作品の売り上げや展覧会の内容で評価されているようです。
私が参考にさせていただいている、『巨大化するアートビジネス』によると、2009年のトップコレクター第1位はフランソワ・ピノーです。彼はレクターであるだけでなく、競売会社クリスティーズのオーナーであることにより、誰よりも影響力を持っていると言えます。
コレクターたちが知りたいこと、それは、トレンド。
成功するであろうスターを見つけ出し、買い手になること。また、誰が買い手になるのかを気にしているのです。そして、自分が買ったアーティストの評価を下げないようにするということです。つまり、アーティストは、自分の評価を維持する必要があります。そのために「幻想」を維持しなければならない、と社会学者アラン・クマンは本書の取材で語っています。
派手なPRでアプローチしたジェフ・クーンズは、このいい評価を維持したいい例です。ジェフ・クーンズは、キッチュ性を表現した巨大作品を制作するアーティストで、アメリカらしい派手さ・でかさが表されています。
〈重要人物〉
●フランソワ・ピノー:フランス人トップコレクター。実業家。個人美術館パラッツォ・グラッシ、プンタ・デラ・ドガーナを設立。
●ジェフ・クーンズ:米アーティストで、現代アート四天王の一人。
●ダミアン・ハースト:英アーティストで、現代アート四天王の一人。
●リチャード・プリンス:米アーティストで、現代アート四天王の一人。
●村上 隆:日本人アーティストで、現代アート四天王の一人。
●ジャン=ジャック・エラゴン:美術史家。ポンピドゥセンター国立近代美術館の館長をしたのち、2007年〜ヴェルサイユ美術館の館長になる。
●ローラン・ル・ボン:キュレーター。
●イリアナ・ソナベンド:クーンズを育てたNYのギャラリスト。
●ジャン=フランソワ・ビゾー:ジャーナリスト。クーンズを批判した。
●パティ・スミス:ミュージシャンで、写真家。2008年にはパリのカルティエ現代美術館で展覧会を開いた経験を持つ。クーンズを批判した。
【クーンズのコレクター】
●ドナルド&メラ・ルベル夫妻:米(フロリダ)大コレクター。
●エリ・ブロード:実業家・
●ピーター・ブラント
●ダキス・ヨアヌー
〈キーワード〉
●英雑誌『アート・レビュー』
●米雑誌『アート・ニューズ』
●クリスティーズとサザビーズ:大手競売会社。クリスティーズとサザビーズが世界の競売の8割を占めている。
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