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アメリカ台頭

  • 執筆者の写真: TENTEKO
    TENTEKO
  • 2018年9月4日
  • 読了時間: 3分


転機となったのは、1964年。ヴェネリア・ビエンナーレで、ロバート・ラウシェンバーグがアメリカ人で初めてグランプリを受賞してから、世の中の動きがガラッと変わりました。アート、経済ともにヨーロッパが弱体化し、アメリカが台頭してくるのです。

しかしこの波をもたらしたのは、ヨーロッパから亡命してきたアーティストたちである。特にマルセル・デュシャンこそ新しいアート史を作り上げ、彼のような「破壊者」こそがいつまでも人々の関心を引くことができるのだと、著者は語っています。



目利きとはアート市場では重要な存在で、美術館の学芸員・アートフェアのディレクター・展覧会コミッショナー・批評家が挙げられます。トップの目利きたちは、世界中をまわり、トレンドのあるユニークな作品を探し求め、ヴェネチアで目星をつけていた作家に焦点を当てるのです。


アーティストの質の保証には、いまや、目利き以上に市場が影響していると本著では語られています。やはり今は金が強い。そして、売り出されるアーティストはアングロサクソン系が強く、やはりアメリカの力は強大です。






〈重要人物〉

ブルーノ・ロジェ:らザードフレール銀行の元共同経営者で、コレクター。

パトリック・リカール:フランス人実業家でコレクター。

アラン・マンク:フランス人実業家でコレクター。

ジュディット・ピサール:アメリカの国際弁護士でコレクター。サミュエル・ピサールの妻。

フィリップ・セガロ:アート・アドバイザー。

ジェローム・ド・ノワールモン夫妻:パリのギャラリスト。

アンヌ・ド・ヴィルポワ:パリのギャラリスト。

エリザベット・クチュリエ:批評家。

フランク・ジロー:フィリップ・セガロの共同経営者。


ハンス・ウルリッヒ・オブリスト:展覧会コミッショナー。

ハラルド・ゼーマン:展覧会コミッショナー。

ニコラス・セロタ:ロンドンのテート・ブリテンの館長。

ジャン=ユベール・マルタン:パリのポンピドゥセンター所属。

ニコラ・ブリオー:理論家。

ジェフリー・ダイチ:型破りなギャラリスト。肩書きは様々ある。

ダキス・ヨアヌー:ギリシアの実業家。

ファブリス・エルゴ:パリ市立近代美術館の館長。

マラン・カルミッツ:コレクター。フランス映画プロデューサーで映画館主。




〈キーワード〉

マルシャル・レイス:アーティスト。ヌーヴォー・レアリスムのメンバー。

リチャード・セラ:アーティスト

「態度が形になるとき」:1969年にハラルド・ゼーマンの開いた、伝説と言われる展覧会。ハプニングやパフォーマンスを美術館に持ち込んだ内容であった。

「ア・ニュー・スピリット・イン・ペインティング」:1981年にニコラス・セロタらが企画した英王立芸術学院で開催された、ヨーロッパの新たな方向性を示そうとした展覧会。

「大地の魔術師たち」:1989年にジャン=ユベール・マルタンが企画した展覧会。

オルターモダン:ニコラ・ブリオーによって提唱されたコンセプト。

ピーター・ドイグ:市場のアーティストといわれる。

ヌーヴォー・レアリスム:1960年代のフランスの前衛芸術運動。

パラッツォ・グラッシ


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