アートフェア事情
- TENTEKO
- 2018年7月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2018年8月21日
アートビジネスの時間です。
ここでは、紀伊国屋書店『巨大化する現代アートビジネス』(ダニエル・グラネ、カトリーヌ・ラムール著)を参考にしながら、アート界の仕組みや覚えておくべき重要な人物を勉強していくページです。
たいへん、たいへん高額な現代アート作品たち。
どうして、だれが、なにが、アートをこんなに高額にしているのか。
それを知るために、様々な職種の人が関わっていることを前回紹介しました。
(アート界の構成員に関しては、前回の「アート界①」を参照ください。)
では、前回に引き続き、現在のアート界の重鎮たちを紹介していきます。
アート・フェアに行ったことはありますか? 東京にもあるんですよ。有楽町の国際フォーラムで毎年やってます。 もちろん、私たちはチケットを買って、一般公開日に会場へ入ります。
それが普通だと 思っていませんか?
中に入ってみるとわかるのですが、いくつかの作品に印がついていることがありませんか?
これは、購入後の印です。でも、初日に既に購入されてて「早くない?」ってことがあったりするんです。
実際のアート界を支えているような重鎮は、一般公開日には来ません。
私も初めて行ったときはそんなこと知りませんでしたので、アート界のお偉いさんにひょっとしたら会えるかも、とか馬鹿なことを考えていたんです。
こういった重鎮は、公開日前に入れるパスを持っています。
アート・バーゼルでもそうです。
仲介者のフィリップ・セガロは、大コレクターのフランシス・ピノーのために準備中の会場に、他のどのコレクターよりも先に入れる画商パスを提供したそうです。これにより、ピノーのような大コレクターたちは、買いたい作品に目星をつけることができます。
もう一つ、今日は
ナーマド一族についてもお話します。
ナーマド一族は、世界で最も有力な近代アートのギャラリストです。2008年のアート・バーゼルでは、黒を基調としたブースにジョアン・ミロの作品を16点も展示していたそう。でも、立案者のデイヴィッド・ナーマドが所有していたのはそのうち4点でした。他は展示用に美術館などから借りた作品でした。
著者いわく、ナーマド一族のブースはとても目立っていたそうです。この4点は3億1020万円で売れたそうです。アートはビジネス、作戦が大事なのですね。
〈重要人物〉 •ノーマン・ブラマン:世界的な大コレクターのひとり。車と船のディーラーで大富豪。アート・バーゼルをマイアミに招へいする代表に選ばれたことがある。
•サミュエル・ケラー:ディレクター。アート・バーゼルのディレクターとして有名。 •フランシス・ピノー:現代アートの大コレクター。フランスの実業家。 •フィリップ・セガロ:アート・アドバイザー。アート・フェアの際、ピノーを誰よりも先に会場入りさせた。 •ナーマド一族:近代アート界の、世界で最も有力なギャラリストの先頭に立つ存在。 •デイヴィッド・ナーマド:2008年のアート・バーゼルの出展立案者。
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